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 ベルジャン・シェパード
ベルジャン・シェパードといっても、日本ではあまり馴染みがないと思います。私が日本に住んでいたときもシェパードといえばジャーマン・シェパードで、ベルジャン・シェパードを見かけた記憶は全然ありません。特に犬好きでもなかったので、ベルジャン・シェパードという犬種が存在するということは、ベルギーに来て初めて知りました。ベルギーでは、古くから牧羊犬として活躍してきた犬の中から、19世紀後半にベルジャン・シェパードと呼ばれる犬種が確立されました。ペットとしてはあまり馴染みがないものの、警察や軍では世界中で大活躍しているベルジャン・シェパードについて、簡単に紹介したいと思います。

★4つのバラエティ★

ベルジャン・シェパードには、4つのバラエティがあります。ブラック単色で長毛のグローネンダール、長毛でフォーン(金色がかった茶色)にブラック・オーバーレイ(被毛の先が黒くなっている)、ブラック・マスクのタービュレン、タービュレンと同じくフォーンにブラック・オーバーレイ、ブラック・マスクで短毛のマリノア、フォーンでその固く荒々しい毛並みに特徴があるラケノアです。
グローネンダールタービュレンマリノアラケノア
グローネンダールタービュレンマリノアラケノア
いずれのバラエティも、その産地にちなんだ名前がつけられています。

グローネンダールは、ブリュッセルの南にあるソワーニュの森 Forêt de Soignes の中にあるグローネンダール城 Château de Groenendael に住んでいたニコラ・ローズ Nicolas Rose が19世紀にこの種を確立したことから、グローネンダールと呼ばれています。

タービュレン Tervueren はブリュッセルの東にある地名で、この地域に住むビール醸造業者が品種の確立に貢献したとされています。

マリノアは、ブリュッセルの北、ブリュッセルとアントワープの中ほどにあるメッケレン Mechelen 出身の犬です。メッケレンはオランダ語で、フランス語ではマリーヌ Malines。マリノアはこのマリーヌの形容詞で、「メッケレンの」という意味です。

ラケノアは、アントワープ地方出身の犬ですが、ブリュッセルにあるベルギー王族の王宮ラーケン Laeken 宮に住んでいたマリー・アンリエット王妃(第2代国王レオポルド2世妃)が特に可愛がっていたことから、ラーケン宮の名前をもらい、ラケノアと呼ばれています。

いずれのバラエティも、獣医学校の校長だったアドルフ・ルール Adolph Reul 氏らが19世紀後半にベルギー各地の牧羊犬を集めて品種の確立につとめたことから生まれました。現在の4つのバラエティが確立されるまでに、1981年に設立されたベルジャン・シェパード・ドッグ・クラブで数多くの議論が行われ、20世紀前半までにすべてのバラエティが正式に認められるようになりました。

★性格と大きさ★

性格の面では、4つのバラエティに大きな違いはありません。いずれのバラエティも非常に注意深く、活動的な性格で、牧羊犬に必要な素質をすべて備えていると言われます。現在では番犬、防衛犬、山岳探索犬、追跡犬、警察・軍用犬、牧羊犬として使われていますが、番犬としては特にマリノアが抜きん出ているとされ、アジリティではタービュレンが最も優れた成績を収めているとされています。少し神経質なところがありますが、飼い主には非常に忠実で、毅然とした態度で愛情を持ってしつければ、非常に優れたコンパニオン・ドッグにもなります。長毛種のグローネンダールやタービュレンは、その見た目の美しさからも人気があります。

ベルジャン・シェパードは非常に飼い主に従順なため、犬世界のルールを正しく守っていればしつけは比較的簡単にできます。ただし、いずれのバラエティも牧羊犬出身なだけに非常に活動的です。アパート内で飼うことも可能ですが、毎日の散歩でしっかりエネルギーを発散する必要があります。長時間の散歩やジョギングが好きな飼い主さんにはぴったりの犬種です。

サイズは、理想の体高がオス62センチ、メス58センチで、上は4センチまで、下は2センチまで差が認められています。体重はオスが約25キロから30キロ、メスが20キロから25キロです。大型犬に分類される上、サービスドッグとして優れた運動能力を持ち、力も強いので、飼い主さんもそれなりに力のあるスポーティブな人のほうがいいかもしれません。我が家にいたゼナは、体高が50センチ強、体重が20キロ弱と小さめでしたが、それでもミシェルがびっくりするくらいの力を出すことがありました。

★ベルジャン・シェパードこぼれ話★

ジャパン・ケネル・クラブに登録されている犬種別登録数によると、2003年の日本のベルジャン・シェパード登録数は、タービュレンが127頭で71位、グローネンダールが53頭で92位、マリノアが28頭で104位、ラケノアが11頭で124位でした。ちなみに1位はダックスフンドで11万頭以上! ジャーマン・シェパードは843頭で37位でした。

ちなみに、ベルギー犬といえども、ベルギーでもものすごくポピュラーな犬、というわけではありません。正確な数字はわかりませんが、警察や軍ではなくペットとして飼われているのはそんなに多くないようです。私も散歩や訓練所でたまにベルジャン・シェパードを見かけますが、ジャーマン・シェパードのほうが圧倒的に多いです。ベルジャン・シェパードの中でよく見かけるのは、ベルギーでもやっぱりタービュレンとグローネンダール。マリノアは警備犬として使われることが多く、駅やショッピングセンターの警備員が連れている犬はジャーマン・シェパードよりマリノアのほうが多いくらいです。

日本ではまだまだ馴染みの薄いベルジャン・シェパードですが、少しでも多くの人がその魅力に触れる機会が増えることを願っています。


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